ネットワーク設計というと、
構成図や機器選定、パラメータ設計といった「作業」が注目されがちです。
しかし実際には、
設計の出来を大きく左右するのは、
手を動かす前に何を考えていたか です。
いきなり構成を描き始めるのではなく、
私は必ずいくつかの質問を自分に投げます。
この記事では、
設計を始める前に私が必ず立ち止まって考えている
5つの質問 を共有します。
どれも特別なものではありません。
ただ、これを飛ばすと後工程で必ず歪みが出ます。
質問① この設計で、最終的に守るべきものは何か?
最初に考えるのは、
「何を作るか」ではなく「何を守る設計なのか」 です。
- 可用性なのか
- 性能なのか
- 運用のしやすさなのか
- 将来の拡張性なのか
すべてを完璧に満たす設計はありません。
だからこそ、最初に優先順位を決めます。
ここが曖昧なまま進めると、
設計途中の判断がすべてブレ始めます。
質問② 想定している利用者と運用者は誰か?
設計は、設計者のためにあるものではありません。
- 実際に使うのは誰か
- 障害時に触るのは誰か
- 日常的に設定を見るのは誰か
これを考えずに作られた設計は、
使われた瞬間から「扱いづらい構成」になります。
設計時点で、
自分以外の誰かが触る前提 を置いているか。
これは必ず自問します。
質問③ 管理範囲の境界は、構造として決まっているか?
設計を始める前に、
必ず整理しておくべきなのが管理範囲です。
- どこまでが自分たちの管理対象か
- どの装置・どのインターフェースまでを見るのか
これは運用の話に見えますが、
設計段階で決めておくべきこと です。
境界が曖昧なまま設計すると、
障害時に「どこを見るべきか」で必ず迷いが生じます。
質問④ 想定しているトラブルは何か?
完璧な設計を目指すことはしません。
その代わり、
起きそうなトラブルをいくつか想定 します。
- リンク断
- 機器障害
- 設定ミス
- 想定外の通信増加
すべてを防ぐのではなく、
「起きたときにどう振る舞うか」を
頭の中で一度シミュレーションします。
ここを考えていない設計は、
トラブルが起きた瞬間に破綻します。
質問⑤ この設計は、あとから説明できるか?
最後に必ず考えるのが、
この設計を言葉で説明できるか です。
- なぜこの構成なのか
- なぜこの方式を選んだのか
- なぜ別案ではないのか
説明できない設計は、
運用にも引き継ぎにも耐えません。
自分の中で筋が通っていれば、
図がなくても説明できます。
まとめ:設計は、描く前にほぼ決まっている
ここまで挙げた5つの質問は、
設計作業そのものではありません。
しかし、
これを自問したかどうかで、
設計の質はほぼ決まります。
構成図を描く前に、
少しだけ立ち止まって考える。
その時間が、
後工程の手戻りや運用の混乱を減らしてくれます。

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